巨神と誓女のサービスがまだ続いている時空にいるアイノさんがゲームをプレイしていく体裁のこの連載。
考察が重要なポイントとなるこのゲーム、既におおまかな正解のアタリは元プレイヤーさん達の間でつけられているような気もしますが、
折角ですのでこのゲームを始めた当初から私の考察がどのように変転したかを、アイノさんの口を借りて語っていきましょう。
※おそらく今回の考察はミスリードに順当に引っかかっているだろうし、そこまで深刻なネタバレにはならないはず…
アイノさんはこのゲームの真実に気付いてしまったようです
ふっふっふ。
今日は私、竜胆寺愛乃から世界を揺るがす重要な発表があります。
…っとその前に。
こないだホームセンターで買ってきたこれをたくさん吊るしておきましょう。
これで巨神と誓女アンチのあの鳥さんが来ることはないはず。
そして皆様、重要な発表とはこれです。私、巨神と誓女という作品の隠されたテーマがわかってしまいました!
ワーパチパチパチ(←自分で言う)
この物語のテーマは、自己犠牲の精神にあてられて命を散らしてしまった者達への救済です!(キリッ
アイノさんがどうしてそう思ったのか、順を追って見ていきましょう
巨神と誓女でのストーリーの見方
このゲームのストーリーを追うにはどうすればいいかというと、
マップ上の敵シンボルをクリックすると巨神に挑めます。この巨神との戦闘中にランダムに歌われる”謳(うた)”を8つ集めるとその巨神にまつわるストーリーが1章分読めるようになります。
3or4章分の謳(8×3or4=24or32個)を集めるとその巨神に関わるストーリーは終わりです。ストーリーの最後に1枚絵を見ることができます。
1つ1つの巨神の話は時系列も世界もバラバラなのですが、話の中に共通で出てくる単語や概念をつなぎ合わせて、そもそも主人公達が戦いを挑んでいる巨神とは何なのか?主人公達がいるフレストニアとは何なのか?という世界観についての巨大な謎を考察していくのがこのゲームの愉しみ方であると言えます。
わかる人にはわかる例で言うと、LIVE A LIVEの各章に登場するラスボスから最終章のラスボスやなぜそのボスと戦うことになったかを気付かされていく体験に似ていますね。
アイノさんはサービス継続時空に生きているので補足的情報を書きますと、巨神と誓女のゲームがサービス終了してしまった現在もちろんゲームをプレイしてストーリーを見ることはできません。ですが、ストーリー部分だけを動画サイトにアップして下さっている方がいるので(2023/1月現在)、ストーリーに興味を持たれた方がいましたら、”巨神と誓女”、または”〇〇の巨神”のような章タイトルで検索すればストーリーを読むことができます。またそれを材料として今からでも考察に参加することもできます。
最初に出会う巨神”騎士の巨神”
このゲームで最初に出会う巨神は”騎士の巨神”。
実に1面ボス感の漂う巨神ですね。
ストーリー的にはすごくすごくあっさり終わります。このゲームこんな感じでいくからヨロシクゥ!みたいな。
読後感もやはり1面ボスのストーリーで、ここに重要なヒントはなさそうです。
次に出会う巨神”人狼の巨神”
次に出会う巨神は”人狼の巨神”。
その名の通り人狼の姿をした巨神で、まるで人狼ゲームのようにストーリーが進んでいきます。
実はこのストーリーにどうも関係ありそうなキャラを事前ガチャで取っていたのですよね。
それがこのウルリカちゃん。
ウルリカちゃんの名前が直接ストーリー中で言及されるわけではありませんが、狼っぽい記号の集合体みたいなデザインですね。こういうガチャゲーでキャラクターに商品としての価値をつけるためには他のキャラとの記号被りは避けるはず。だからウルリカちゃんは人狼の巨神の関係者でしょう。
人狼の巨神のストーリーでは、村人全体が疑心暗鬼になって”殺らなければ殺られる”という状況で起こった惨劇を描いています。
ウルリカちゃんのセリフにも、「誰もが生きる為に命を喰らう…それがワタシ達の原罪!」などあります。
こういう何か(誰か)に犠牲を強いないと生きていけない、みたいな状況が巨神と誓女のストーリーでは頻繁に出てきます。
…それとなんだか”肉を喰らう”とかそういった描写がひっかかりますねぇ。
3体目”真龍の巨神”
3体目の巨神、”真龍の巨神”。
“騎士の巨神”とよく似た構造というか、狩る側が狩られる側になってしまう話…
最後の章タイトルに”連鎖”というワードが出てきます。
1体目の巨神と同じような話のモチーフをそれほど遠くない3体目として登場させてきたのは、世界観こんな感じのビターでいくからヨロシクゥ!という強調に見えます。
あとやはり”肉を喰らう”というモチーフが出てきました。
そして”言葉”。この世界観では言葉というものが生命と同じくらいの価値を持ちそうです。
がらりと世界観を変えてきた”世にも奇妙な巨神”
次の巨神は”世にも奇妙な巨神”。
見ての通り現代的な見た目に現代的なストーリーです。
コンビニバイトとか出てきます。
これまでの3体がファンタジー路線の話であったのに対して、現代の巨神を4体目に出してきたというところがニクいですね。
特に1体目と3体目では似たモチーフを出して読者にほんのりわかってきた感を与えたところで、このくらい外した球だって投げられるんだぞ?みたいな。
世界観の振り幅はこんな感じでいくからヨロシクゥ!みたいな感じです。
“ループ”や、”自己犠牲”。
色々なテーマに繋がり得るモチーフがここで出てきます。
そういえばこの章に関係ありそうな誓女が見当たりませんね。この話は少し特殊な立ち位置なのかもしれません。
ファンタジー世界が帰ってきた”魔術の巨神”、そして
次の巨神では、またファンタジー世界の話に逆戻りです。
ただこれまでの話とは異なり、ファンタジー世界の創造と破壊の根本に関わる話です。
人格をもった創造神が登場。神、王族、王族以外の平民、龍などそれぞれがシナリオ上でどういう意図で動く勢力なのか明らかになります。
そしてゲームで仲間にすることができる女性キャラクターがちゃんと名前やシルエット付きで話の中に登場します。
たとえば氷の魔女シャルバートさんや、炎の騎士セラフさん、アスタルさんなど。
このゲームはR18版もあるギャルゲーなので仲間になるキャラは女の子の姿をしているのですが、
メタ的な事を言うと、ガチャキャラのお披露目と販促みたいな成分がストーリーに現れ始めたと言えるでしょうね。
これ以前の巨神のストーリーはヤローばっかりの話でしたからね!
初出の気になる単語として”咒歌”というものも出てきますね。
これは今までの巨神ストーリーの”言葉”に対応するのでしょうか。
以降の巨神については世界観の謎に大きく関わりありそうなヤツだけ拾っていきましょう。
なおこれ以降倒すのに苦労したり特定の攻略法が必要であったり(あるいはその特定の攻略法のせいで謳が集まりにくかったり)する巨神が増える関係上、1つ前の巨神のストーリーをコンプリート出来ていないのに次の巨神を先にコンプリートしてストーリーを最後まで読めてしまう、といったような状況が起こり得ます。そのためシナリオを見た順番はプレイヤーによってわりとバラバラかもしれません(現にアイノさんも、”廃園の巨神”よりも先に”神曲の巨神”を見終わりました)。
動画から考察に入る勢は、そんな事全く気にせずwikiに書かれた順番でストーリーを追っていけばよいと思いますが。
“流火の巨神”。ナビキャラの過去と自己犠牲と
“魔術の巨神”からは4つ巨神を飛ばして、”流火の巨神”です。
蒸気機関車のような見た目をした巨神ですが、この巨神のストーリーで誓女達がガチャで引かれてたどり着くフレストニア、庭園のように存在するキンダーガーデンとナビキャラのアンナマリーさんについての手掛かりが得られます。
数々の巨神のストーリーの中でも最上位メタがこの”流火の巨神”ということになりそうですね。
プレイヤーがナビキャラのアンナマリーさんやガチャで引いた誓女達と出会えているのは、アンナマリーさんがこの話の中でガッツを見せたからということになりますか。
誓女をガチャで引いた際のお迎えメッセージは、一様にその場に突然呼ばれたことに驚くもので、中には首を切られて処刑された次の瞬間フレストニアにやってきて「あれ? 首つながってる? なんであたし生きてんだ?……やっぱカワイイからかな?」と驚くキャラもいます(みんな大好きハルちゃん)。
誓女達は前世での記憶を喪失したままフレストニアにやってきて、新しく後悔の無い生を送るためにここでの生活を過ごしているのですね。
もうみなまで言う必要無いでしょう(みなまで言うけど)。
最初に申し上げた通り、このゲームのテーマは自己犠牲の精神にあてられて命を散らしてしまった者達への救済です!(キリッ
ドヤ顔のアイノさんには悪いのですが…
ふぅ…
こうして謎を紐解き愚昧な聴衆が真理へと至る道を示すことはかくも高尚な行為であり…
私、なんかやっちゃいましたか?
いえアイノ様。
その程度の考察であれば”流火の巨神”までストーリーを読んだプレイヤーは全員到達していると思うのですが。
出た!クソアンチバード!
って、鳥除けの風船を沢山吊るしておいたのにどうして!?
私もホームセンターでこれを買ってきましたからね。
物騒すぎるだろ
…というのは冗談ですが、そもそも私スキップシューズを履いた戦闘ではその目玉の何百倍も大きな巨神と闘っていますので威嚇効果は無に等しいかと。
そしてアイノ様。アイノ様の仰る”自己犠牲の精神にあてられて命を散らしてしまった者達への救済”というのは”流火の巨神”をこのゲームのストーリーの最上位メタとして考えた場合の解釈でしょうが、アイノ様がガチャでお迎えしたキャラクターの中にも必ずしも自己犠牲に殉じたキャラばかりでない、ということもうすうす気が付いておられるのではないでしょうか?
ドキリーン☆
たとえばつくし様ですが、彼女のセリフなどからキャラの背景を推量すると、
自己犠牲の精神に当てられて命を散らしたというよりは辛い境遇から成功へと上り詰めた、底抜けにハッピーエンドなストーリーのように思えますが。
アイノ様の解釈ですとフレストニアにわざわざ流れ着く理由がわかりません。
それはその…まだ描かれていないストーリーというかなんというか。
ほら、別バとか出たときに無惨に死んだ過去が明らかになるって寸法!
たとえばこのモモ様ですが、自身の夢と現実との狭間で苦悶する様子は窺えますが、そうした状況と闘って生き生きとしているように見えます。
この方も悲惨な最期を迎えてしまうのですか?
きっとそう!
全キャラクターがもれなくそう!!
神様どうかこのゲームに登場する全キャラクターが悲惨な最期を迎えていますように!
最低なお願いですね…
あとそれ地味にアイノ様自身にも跳ね返ってくるような気がします。
アイノさんは”流火の巨神”を最上位メタとした考察を組み立てたようですが、既にそれだけでは説明がつかない事象が散見されます。
このように、巨神と誓女の考察において、何を最上位メタに置くかというのは常に付いてまわる問題でして、同時にこのゲームを考察する際の醍醐味でもあります。
アイノさんの解釈がゲームをさらに進めていっても変わらないままなのか、それは連載の次回以降で。
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