POGシーズンに合わせて2歳馬の中から有望馬を挙げていく当企画。今年は種牡馬限定の指名の方から先に行っており、前回はレインボーライン産駒に限定して指名を行った。
今回はレインボーライン産駒と基本的には同じ基準を適用できるオルフェーヴル産駒の指名である。対象となる2022年生まれの登録馬は96頭と多いのでレインボーライン産駒よりは厳格に基準を適用して選びたい。
- オルフェーヴル産駒から有望馬を指名
- オルフェーヴル産駒の指名方針
- ルクスエクレール(スマートモニカの2022)
- スマートカリーナ(レジェトウショウの2022)
- ジルクン(エジルの2022)
- ドラギニャン(ザデイの2022)
- キャピタルリッチ(オークヒルパークの2022)
- エメラヴィ(ショウナンワヒネの2022)
- ポジターノ(アマルフィターナの2022)
- レジョンデロル(エレナレジーナの2022)
- スマートクオーレ(スマートアリシアの2022)
- ラグナトーレ(キョウワセロトーレの2022)
- ヤクマンブルースの2022
- ミトノオルフェ(インヴィンシブルタッチの2022)
- アイルビリーヴ(ジェルミナーレの2022)
- マレンカヤの2022
- スパイラルビジョン(スピニングメモリーズの2022)
- 番外編:リアライズオーラム(オリヒメの2022)
- もしオルフェーヴル産駒で1頭だけ指名するとしたら?
オルフェーヴル産駒から有望馬を指名
オルフェーヴルは2014年から社台SSで供用が始まった種牡馬で、2022年生まれの馬は8世代目に当たる。初年度でラッキーライラックやエポカドーロといった芝のG1馬を出したものの産駒勝ち上がり率の低さなどから種付け数が一時減少していたが、その後マルシュロレーヌやウシュバテソーロといったダートの世界的活躍馬を出したことで復調の傾向にある。何より好走する配合が生産現場で把握され始めてきたことが大きいらしい。
オルフェーヴル産駒の指名方針
昨年の当企画では、レインボーラインに適用する基準をついでに適用するかたちで1頭選んだ。
- 母方にダンシングブレーヴを持つ馬
- 母方にSeattle Slewを持つ馬
選んだのはウェックスフォード(netkeiba紹介ページ)だったのだが、この馬は12月デビューから4戦走って未勝利、最高着順も5着と現状活躍できているとは言い難い。基準2の”母方にSeattle Slewを持つ馬”に該当するのだが、この基準を作る際に引き合いに出した賞金上位馬ラッキーライラック、ウシュバテソーロ、オーソリティらとこの馬の配合には大きな違いがある。確かに母方にSeattle Slewを持っているのだが、この馬のSeattle Slew筋はA.P. Indyを経由しているのだ。逆に言えば上位馬の持つSeattle Slew筋はA.P. Indyを経由していない(これは全兄から出た活躍馬であるスルーセブンシーズも同様)。Seattle Slewのサイアーラインが現状A.P. Indyのサイアーラインとほぼ同義であることを考えると、上位馬が全てマイナー寄りのA.P. Indyを経由しないSeattle Slew筋を持っているということは好走配合を考える上で非常に大きな情報なのではないかと思われる。ということで、今年の有望馬選定基準はほんの少しアップデートする。
- 母方にダンシングブレーヴを持つ馬
- 母方にSeattle Slewを持つ馬(A.P. Indyを経由しない)
昨年は本当にレインボーライン産駒の検討のついでに1頭選んだという感じだったのだが、今年は全頭の配合を見て意外な活躍馬を引き当てるつもりで検討しようと思う。
ルクスエクレール(スマートモニカの2022)
母父はファルブラヴ。選定理由は基準1のダンシングブレーヴが母母母父の位置におり、さらに基準2のA.P. Indyを介さないSeattle Slewが母父母父父の位置にいるため。基準をいっぺんに2つ満たす馬がいるとは思わなかった。互いの好走理由を殺し合っていないか逆に扱いに困る。
ファルブラヴの父母がFairy Bridgeでこれが父Bold Reason(Hail to Reason産駒)×母Special(その母ThongはLt. Stevensと全きょうだい)という配合である。Seattle Slewにも父母父でHail to Reasonが入っており配合全体でHail to Reasonを強調している。そして母母父ディープインパクトと母母母父ダンシングブレーヴでのLyphardクロスの存在は言わずもがな。問題はそれとオルフェーヴルの相性がどうかである。
母スマートモニカは芝デビューで勝てず船橋で2勝挙げて中央に戻ってきたが勝てなかった馬。本馬の1つ上に全兄がいるがまだ1走しかしておらずデビュー戦は11着。デビュー戦が8月でそれから8ヶ月以上姿を見せていないことを考えるとまだ最終判断を下したらいけないだろうが、全きょうだいがPOGの対象期間中に勝ち上がっていないのだから弟のこの馬も走らないだろう、と判断した方がゲームとしてのPOG的には正解かもしれない。
本馬の母母母はタバサトウショウでスイープトウショウの母。オルフェーヴル×スイープトウショウでデビュー出来なかった馬のことも若干頭によぎる。
スマートカリーナ(レジェトウショウの2022)
母父はキングヘイロー。選定理由は基準1のダンシングブレーヴが母父父の位置にいるため。母名を見てわかるとおり、またトウショウか、という感じの選出である。母母母サマンサトウショウはスイープトウショウの母であり、オルフェーヴル×スイープトウショウの仔の記憶が蘇るのも同じ。
ダンシングブレーヴの供給元がキングヘイローになることで、キングヘイローの5代血統表内で既にTurn-to5×4×5クロスが生じる。サンデーサイレンスもTurn-to系であり、グッバイヘイローとサンデーサイレンスではさらに近い父Haloのクロスが発生する。
母母父母のNumberは父Nijinsky×母Special(その母ThongはLt. Stevensと全きょうだい)。
母レジェトウショウは自身はあまり活躍しなかったが、ディープインパクトとの間に芝短距離重賞でよく名前を見かけるスマートクラージュを出し、またキズナとの間にデビュー後2戦2勝と連勝中のスマートスピアを出している。活躍馬の父馬の傾向がディープ・ブラックタイド系であるのと対照的に初年度のキンシャサノキセキとの仔はそれほど活躍せず引退した。そう考えるとキングヘイローと相性が確約されているディープ系種牡馬を無難につけた方が期待できたのでは?とも思うのだがオルフェーヴル産駒の当馬が跳ねたらそれはそれで新たな発見である。
ジルクン(エジルの2022)
母父はStormy Atlantic。母父母父のところにSeattle Slewが居るので基準2を満たす。それ以外にも本馬の母方にはStorm CatやGone Westなどアメリカンな血統が並ぶ。Seattle Slewが居るのと同時に同じBold Ruler系のSecretariat5×5クロスがあり、この組み合わせはほとんどA.P. Indyが居るのと同じなのでは?つまり基準に外れているのでは?という疑いもあるのだが、それ以上に母方にNasrullah系の筋が多めであることを好意的に解釈したい。母馬は中央ダート1勝馬で最高体重が550kg以上にまで育った馬。デビュー済み産駒2頭はいずれも520〜530kg程度と大きめに出ておりこれがオルフェーヴルの弱点をうまく補えるはず。ダートでの活躍を期待しよう。
ドラギニャン(ザデイの2022)
母父はシンボリクリスエス。シンボリクリスエスの父母父父がSeattle Slewなので基準2に該当する。父オルフェーヴル母父シンボリクリスエスという組み合わせではオーソリティ、ソーヴァリアントと芝重賞馬が2頭出ている。とは言えこの2頭の母馬はシーザリオの娘のロザリンドとソーマジックという名牝であり、母父シンボリクリスエスという配合の勝利だったのかは怪しい。この名牝2頭の共通点としてSadler’s Wells=Fairy Kingを持っているというものも一応あるのでそこは頭に入れておいても良いかもしれない(父オルフェーヴル母父シンボリクリスエスの賞金順で1〜4位の馬にはSadler’s Wells=Fairy Kingが入っている)。
そうした事を踏まえて当馬の母方の血統表を見ると、Sadler’s Wells=Fairy Kingは入っていないので既知の好走配合からは外れている。母母父にはNorthern Dancer産駒のThe Minstrelが入っており、この馬の母母父Victoria Parkはノーザンテーストの母父なのでノーザンテースト増し増しコンセプトのオルフェーヴルと矛盾しない相手ではあるだろう。母母母は父Mr. Prospector母父Dr. Fagerなのでダート寄りの異質な要素ではあるがNorther Dancer多めでともすればモサッとした配合にスピード要素を足しているのかもしれない。未知数な部分は多いが跳ねてもおかしくはない配合に思える。
全姉は川崎でデビューして今のところ4戦未勝利、体重430kg台とトーンダウンする情報もあるにはあるが。
キャピタルリッチ(オークヒルパークの2022)
母父はアグネスタキオン。母母父父のところにSeattle Slewが居て基準2を満たす。父オルフェーヴル母父アグネスタキオンという組み合わせでは中央2勝した馬がいるがそこまで活躍した馬が出ていない。
配合を見て気が付くのはNasrullah系の筋が多めである。母オークヒルパークは500kgくらいの馬でデビュー済み産駒も概ね同じくらいの体重になっている。ただデビュー出来ている4頭の産駒の父はサンデーサイレンスなしの種牡馬であるのに対して、デビュー出来なかった1頭の産駒は父ドゥラメンテで本馬と同じくサンデーサイレンス3×3クロスが生じている。そのためデビューできるのか、デビュー出来たとして大柄な産駒が出るのかについては一抹の不安がある(このお母さん、サトノクラウンつけたりせんですかね?)。
クロスについては他にリマンドのクロスがあり、また母母母父にNorthern Dancer産駒のFabulous Dancerがおり芝のステイヤーっぽい馬が出る雰囲気がある。
エメラヴィ(ショウナンワヒネの2022)
母父シンボリクリスエス。母父母父父のところにSeattle Slewがおり基準2に適合。母母はMr. Prospector産駒で母父Nijinsky。ノーザンテーストとNijinskyはThe Minstrelほど近くはなく、一応ノーザンテーストの母父父父FlaresとNijinskyの母母母父Omahaが全きょうだいということで全く他人ではないくらい。ただこのFlaresはくだんのLt. Stevens=Thong全きょうだいにとっても父母父になっているので、たとえば他のノーザンテーストの影響濃いめの馬(レインボーラインとか)比較でオルフェーヴルの方がNijinskyの相性が良かったりとかはあるかもしれない。
母馬は480kgくらい。産駒のサイズは430kg台〜500kg台くらいで父馬側に依拠しているような(つまりサイズは期待できない?)。
ポジターノ(アマルフィターナの2022)
母父シンボリクリスエス。母父母父父のところにSeattle Slewがおり基準2に適合。母母は父Nureyevの母Katiesでスリープレスナイトの半妹である。近親は芝短距離馬が多い。母の産駒の馬体重は父馬なりといったところ。
父オルフェーヴル母父シンボリクリスエスの好走配合がSadler’s Wells=Fairy King入りであると書いたが、これがもしLt. StevensとThong全きょうだいクロスの影響によるものなのだとしたらBold Reason(Hail to Reason産駒)の居ない本馬の母母父NureyevでもOKなのかもしれない。Hail to Reason系のシンボリクリスエスとの相性では居た方が説得力はあるけれども。
レジョンデロル(エレナレジーナの2022)
母父はノヴェリストで、母母父がファルブラヴであるためSeattle Slewは母母父母父父のところにおり基準2に適合する(5代血統表には載らない)。母母母がサンデーサイレンス×ダイナカールであるためオルフェーヴルの配合にさらにサンデーサイレンスとノーザンテーストを足す形になっている。母父ノヴェリストに加えてファルブラヴが重なると欧州っぽくなるので、サンデーサイレンスの3×4クロスで纏めるイメージなのかもしれない。
ノヴェリストの中にあるNorthern Dancer産駒Night Shiftは、母Cibouletteの配合が父Chop Chop、母父Windfieldsとノーザンテースト母父のVictoria Parkと同じである。ノーザンテースト分のさらなる強調とも見られる。どんな馬なのか写真を見たことがないが流星を見るのが楽しみである(ノーザンテースト5×4×4×4クロスのクレバーテーストの流星を思い浮かべながら)。
本馬は母馬の初年度産駒になるが、母馬が最大420kg台までしかいかなかったため体重が心配である。
スマートクオーレ(スマートアリシアの2022)
母父ファルブラヴ。母父母父父がSeattle Slewで基準2に適合。母母父はサンダーガルチ産駒のPoint Given。母母母Autumn MoonはMr. Prospector産駒で母父Lyphard。芝マイル重賞を2勝したステキシンスケクンの母。
スマートアリシアは芝1勝馬ではあるが近親は大体ダート馬である。産駒の大きさは父馬次第といったところか。
ラグナトーレ(キョウワセロトーレの2022)
母父キングカメハメハ。母母父がダンシングブレーヴ産駒のキングヘイローで、基準1に適合する。
父オルフェーヴル母父キングカメハメハの組み合わせは賞金1億円超えの馬でウシュバテソーロ、ライラック、ショウリュウイクゾ、タガノディアマンテと並ぶ。この内Seattle Slew持ちであるウシュバテソーロ以外は芝中距離〜長距離くらいの馬である。
本馬にダンシングブレーヴが入るところやMr. Prospector 4×5が出来るところなどはこの母父との組み合わせ配合においては影響が未知であるのだが、母母母母父のNijinskyについてはウシュバテソーロ、ショウリュウイクゾの配合にも見られキングカメハメハの中のNijinskyとも矛盾しないものと思われる。母母母父Seeking the Goldは基準2タイプのギルデッドミラーの中にいる。
母キョウワセロトーレは460kgくらいの馬で、産駒も父なりの大きさといったところか。
ヤクマンブルースの2022
母父カネヒキリ。母母父がダンシングブレーヴ産駒のコマンダーインチーフで基準1を満たす。オルフェーヴル産駒の好走配合としてダンシングブレーヴを求めているのは母母キョウエイマーチの父としてダンシングブレーヴを持つマルシュロレーヌの配合を参考にして導き出しているところがあるのだけれども、本馬の配合はダンシングブレーヴに加えて母父母父にDeputy Ministerがおり、ここもマルシュロレーヌの配合との一致点となる(マルシュロレーヌの場合Deputy Ministerは母父父)。Deputy Ministerの父母母に居るVictorianaはノーザンテーストの母父母であり、ノーザンテースト増し増し配合であるオルフェーヴルとも矛盾しない。
ヤクマンブルースは馬体重450kgくらいの地方3勝馬で、産駒2頭は父なりの大きさを出している(420〜460kg)。
ミトノオルフェ(インヴィンシブルタッチの2022)
母父はInvincible Spiritで母母父がダンシングブレーヴ。基準1を満たす。Invincible SpiritはDanzig系だがSir Gaylordを持つのでダンシングブレーヴとは深い所でクロスが発生し、さらにサンデーサイレンス内のHail to ReasonとSir GaylordはTurn-to産駒繋がりになる。この組み合わせはキングヘイローやディープインパクト×キングヘイローの馬の相性の良さについて語られる際などによく出てくる。
母母のNajmat Alshemaalという馬が全くピンと来なかったのだが、ダンシングブレーヴの欧州に残してきた産駒であり、その母NorettaはSwynfordを経由しないIsinglass系の馬でサイアーラインでドイツダービー馬が6代続くという恐ろしい血族である(ついでにその過程のインブリードの濃さも恐ろしい)。この未知の馬も含めて芝馬しか出さなそうな配合であるが。
アイルビリーヴ(ジェルミナーレの2022)
母父アドマイヤムーン。母母母父にダンシングブレーヴが居るので基準1を満たす。母母母ランバダスタイルという馬がダンシングブレーヴ産駒なのだが、1988年生まれなので欧州で生まれた初年度産駒ということになるだろうか。母母父タイキシャトルと母父アドマイヤムーンの血を入れて父オルフェーヴルの本馬となるわけだが、近親は大体芝マイル〜2000くらいの距離で走っている。その中に取り立てて活躍した馬はいない。母馬の体重は450kgくらい。きょうだいは1つ上にジャスタウェイ産駒がいてその馬も450kgくらい。サンデーサイレンス3×4クロスもあるし、体が大きく出るイメージはない。
Lt. Stevensと全きょうだいクロスになるThongがタイキシャトルの母母父母として居ないこともないけれどもあまりにも遠いので影響あるかはわからない。タイキシャトル中にNijinskyもあるが影響を語るには遠すぎるか。
マレンカヤの2022
母父はファンタスティックライト。母母母父がダンシングブレーヴ産駒のコマンダーインチーフで基準1を満たす。
父オルフェーヴル母父ファンタスティックライトという配合は調べた限り前例が無い。ファンタスティックライトはRahy産駒でRahyは父Blushin Groom×母Glorious Songという配合、つまりハルーワソングの母Morn of Songの全きょうだいにあたる。ハルーワソングが父Nureyev×母Morn of Songという配合なので本馬にとって母母父であるソヴィエトスターがNureyev産駒であることなども併せると近いイメージの繁殖牝馬かもしれない。つまりサンデーサイレンス系の馬とかけ合わせる際の使い勝手が良い。
Nureyevの中のThongがオルフェーヴル母母母父のLt. Stevensと全きょうだいになることは既に書いたとおりだが、5代血統表の一番右下にいるJeffoという牝馬の父Ridanもまた全きょうだいである。それでファンタスティックライトの母父はNijinsky。これまで上に挙げてきた馬の配合を説明するときに出した好相性要素が本馬の配合にちょっとずつ入っている印象だ。
マレンカヤは体重450kg近辺の地方3勝馬で、産駒は中央地方を問わなければ勝ち上がり率自体は高い。体重も母と同じかそれ以上の産駒が多いがサンデーサイレンス系のカレンブラックヒルとの仔が410kgくらいなのが気がかりである。
スパイラルビジョン(スピニングメモリーズの2022)
母父ArcanoはDanzig系Oasis Dreamの産駒。Oasis Dreamの母Hopeがダンシングブレーヴ産駒であるため本馬にとっての母父母母父がダンシングブレーヴであり基準1を満たす。Hopeを介してのダンシングブレーヴは海外馬の血統を見ていてダンシングブレーヴを見つける際の2位くらいには入るのではないだろうか。1位はおそらくDubawiの中に居るJawaherだろう。他は日本人のやつらが根こそぎ持っていきやがった(誇張)。
本馬の母スピニングメモリーズの中にはDanzig4×3、Roberto5×5、Mill Reef5×5というクロスがある。オルフェーヴルとDanzigを強調した母馬との相性はまだ未発見というか活躍した産駒が思いつかない。
Sir GaylordとHail to ReasonのTurn-to産駒繋がりという話では、本馬の中にはサンデーサイレンス、ダンシングブレーヴ以外にもOasis Dreamの中のSir Ivor(Sir Gaylord産駒)、母馬内のRoberto(Hail to Reason産駒)5×5クロス、母母母父父の位置に居るMachiavellianの中のCoupe de Folie(Halo産駒Hail to Reason孫)と多彩な方面からTurn-to系の筋が入っている。実際それが好走要因になるのかただの雑学で終わるのかは正直分からないところではあるが。
番外編:リアライズオーラム(オリヒメの2022)
母父はマジェスティックウォリアー。母父父父の位置にSeattle Slewが居て基準2を満たす…と思いきやA.P.Indyを経由しているので厳密にはアウトである。
では何故番外としてこの馬を挙げたかというと、2023年7月に行われたセレクトセールに遡る。当時はまだウェックスフォードのデビュー前であったためA.P. Indyを基準から外す方針は出来上がっていなかったのだが、セレクトセールの上場馬一覧を見てオルフェーヴル産駒をPOG’24で指名するならこの馬にしよう、と心に決めた経緯があるのだ。この馬の馬主さんは新規参入馬主だが追分ファームの場長さんと大学の同窓生ということでセール当日は隣に座って競りに参加していたようだ。セールでは新種牡馬コントレイルの産駒がとんでもない値段で売れていく一方、「今回のセールの本当のアタリはこのオルフェーヴル産駒ですよ…」とアドヴァイスなんかも受けて落札したのではないか?という妄想が働いた。
さておき、配合的に見てもA.P. Indy以外にケチをつけられる点が無い。母母父のフレンチデピュティは(基準1タイプの配合だが)マルシュロレーヌの母父であるとともに、全兄の産駒を持ち出して良いのならスルーセブンシーズの母父父でもある(そしてこちらは基準2タイプの配合)。
母父母父に居るSeeking the Goldはダート路線で強さを見せ始めた矢先に引退してしまったギルデッドミラーの母母父である(基準2タイプ)。
A.P. Indy経由の馬が呪いのように全く勝ち上がっていないというわけではないので(たとえば2021産駒のアルシミストなどオープン入りが期待できる馬もいる)リアライズオーラムの活躍も見守っていこうと思う。
もしオルフェーヴル産駒で1頭だけ指名するとしたら?
ここまで2つの基準に合致する馬を機械的に抽出してコメントしてきたが、ここに挙げた馬の全てが全て勝ち上がると信じられるかというとそれは難しいかとも思う。特に体重の軽い馬が出てしまうと現代競馬では著しく不利になるので、好走する要素を持っていたとしてもそれをフィジカル的に全て発揮できるかどうかはわからないからだ。
ではここに挙げた馬の中で1頭だけ指名馬にするなら?という質問をされたとしたら、基準に合致しないリアライズオーラム!と言いたくなるのを抑えてジルクンを選ぼうと思う。
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