6月1日の日本ダービーを間近に控えて、そろそろ競馬のPOG界隈も騒がしくなってきた。当サイトでも2023年デビュー馬の有望所を選出した記事に始まり今年で3年目となるデビュー馬講評&青田買いの記事の準備に向けて余念が無い(時間も無いが)。だがまずはその前段階として、昨年の青田買いの結果がどのように転んだか総括する記事を出しておこうと思う。
昨年2024年のPOG記事は、以下のように各種牡馬の産駒限定で有望馬を選出する種牡馬限定POG3記事とJRA-VANが公開する馬体動画から見た目で選出する馬体POG1記事の合計4記事という構成でお届けした。




これら全ての記事の選出馬について一度に結果報告をすると長大な記事となってしまうので、2回に分けて報告する形にしようと思う。というわけで今回の記事は前編、種牡馬限定POGの結果報告編である。
POG結果報告:レインボーライン産駒
まずはそれほど数も多く無いレインボーライン産駒編である。レインボーラインは2019〜2022年シーズンまで4シーズン種牡馬として供用されており、2024年POGに登場してきたのはラストクロップの1歳上の世代となる。選出馬の名称と成績だけを簡潔に報告したい(記事執筆時5月第2週時点)。
- サヨノフトゥーラ
- 浦和競馬所属4戦1勝獲得賞金228万
- モーモーレインボー
- 名古屋競馬所属16戦0勝獲得賞金213万
- モンサンオブライト
- 兵庫競馬所属9戦0勝獲得賞金78万
- ステイクラッシー
- 岩手競馬所属11戦2勝獲得賞金857万
- ケンシレインボー
- 船橋競馬所属8戦3勝獲得賞金2320万
- レインボーギフト
- 中央競馬所属4戦0勝獲得賞金0万登録抹消
- アオイウィンダム
- 中央競馬所属5戦0勝獲得賞金0万
- エンジェライト
- 中央競馬所属5戦0勝獲得賞金0万登録抹消
世代の血統登録16頭、そのうちデビュー済みが15頭で現状における世代賞金王はケンシレインボーである。次点がステイクラッシー。ただ中央で粘っている勢が地方競馬にフィールドを移して賞金を稼ぎ始める事もあるので現状の並びが純粋な実力順というわけではない。
特に現状の賞金順では3位(487万)となるキタノブレイク、4位(470万)のシュテルンビルトはどちらも中央所属の未選出馬で、キタノブレイクは6戦2着1回3着1回、シュテルンビルトは2戦2着2回と両者とも今後の中央勝利の可能性を感じさせる。この2頭に言及できていなかったことについては改めてじっくり理由を考えてみる必要があるかもしれない。
…と、レインボーライン産駒の成績をまとめている最中に行われた船橋競馬の重賞東京湾カップにおいて、世代賞金王のケンシレインボーが1着をとり獲得賞金も2000万円を積み上げ、レインボーライン産駒全体の賞金王へと昇格してしまった。好走配合のサンプルとして採用して良い成績だと思うが、惜しむらくは父馬が既に種牡馬引退してしまった身であるということである。
POG結果報告:オルフェーヴル産駒
オルフェーヴルは’24POGに登場する馬が8世代目ということであった。父馬もまだ種牡馬として元気であろうし、生産の現場で好走配合も掴めてきたということで今後更なる活躍馬の登場が期待される。
選出馬の成績を簡潔に見てみよう。
- ルクスエクレール
- 中央競馬所属4戦0勝獲得賞金432万
- スマートカリーナ
- 中央競馬所属未出走
- ジルクン
- 中央競馬所属6戦0勝獲得賞金55万
- ドラギニャン
- 中央競馬所属6戦0勝獲得賞金280万
- キャピタルリッチ
- 中央競馬所属6戦1勝獲得賞金905万
- エメラヴィ
- 中央競馬所属3戦1勝獲得賞金1156万
- ポジターノ
- 中央競馬所属4戦0勝獲得賞金56万
- レジョンデロル
- 中央競馬所属2戦0勝獲得賞金0万
- スマートクオーレ
- 中央競馬所属8戦1勝獲得賞金699万
- ラグナトーレ
- 中央競馬所属3戦0勝獲得賞金84万
- ヤクマンブルースの2022
- 所属不明
- ミトノオルフェ
- 中央競馬所属5戦1勝獲得賞金740万
- アイルビリーヴ
- 中央競馬所属6戦0勝獲得賞金596万
- マレンカヤの2022
- 所属不明
- スパイラルビジョン
- 中央競馬所属3戦1勝獲得賞金560万
- 番外編:リアライズオーラム
- 中央競馬所属8戦1勝獲得賞金1797万
所属不明の馬以外は全て中央デビューという、レインボーライン産駒と比較すると周囲の期待度の違いを窺わせる。
世代の賞金王は5戦3勝で既にG1にも2回出走しているクリノメイ。この馬を拾えなかったのは要反省である。
ただ5月第2週現在で勝ち上がっている産駒16頭のうち6頭を拾えている。この世代の産駒で一番最初に勝ち上がったエメラヴィ、白老ファーム産の期待馬として種牡馬を限定しない世のPOGでも選出されがちなリアライズオーラム以外の4頭は年が明けて3月以降にまとめて勝ち上がった形であり、産駒の奥手な傾向を反映している。
番外選出だったリアライズオーラム(理由:A.P. Indyがいるため)の1着1回2着3回3着1回という成績については好走配合にA.P. Indyのケチがついて割り引かれてしまっているものと捉えたい。勝ち上がりという結果は出ているが、来期POGでもA.P. Indyを不安視する方針は続けようと思う。
POG結果報告:サトノクラウン産駒
サトノクラウン産駒については、代表産駒のタスティエーラが香港競馬のQE2世カップを勝ちG1の勝ち星を1つ増やしたが、依然それ以外の活躍馬が出てこない種牡馬としての苦境が続いている。
POG’24における選出馬の成績を見てみよう。
- アルカイクスマイルの2022
- 所属不明
- ニシノプライム
- 中央競馬所属2戦0勝獲得賞金0万
- ヨルハ
- 中央競馬所属1戦0勝獲得賞金0万
- クインズガナッシュ
- 中央競馬所属1戦0勝獲得賞金0万
- エンブレイスメント
- 中央競馬所属2戦0勝獲得賞金0万
- ボンマティ
- 中央競馬→名古屋競馬所属6戦0勝獲得賞金34万
- セイフウサツキ
- 中央競馬所属6戦0勝獲得賞金55万
- ヴーレヴー
- 中央競馬所属7戦3勝獲得賞金4921万
- タケノオーカン
- 大井競馬所属10戦0勝獲得賞金160万
- フララナキラ
- 中央競馬所属4戦0勝獲得賞金360万
- シンプルスマイル
- 大井競馬所属9戦0勝獲得賞金195万
- ロコモーション
- 中央競馬所属1戦0勝獲得賞金0万
ご覧の有様ではある。ただ世代の賞金王ヴーレヴーは桜花賞やNHKマイルに出走するなどサトノクラウン産駒の中ではタスティエーラ以来の話題に上がる馬となっている。これを血統で拾えていることに安堵したい。
一方、惨憺たる成績の中でも上位の一群(中央で2着3着などがある馬)をフララナキラ以外拾えていないので基準についてまた見つめ直す必要がありそうである。
以上、簡潔ではあるが私POG’24種牡馬限定編の総括を行った。次回は馬体POG編の総括となる。言及しただけの馬、メモ書きした馬まで含めると膨大な頭数になりそうだがなんとかまとめる予定。
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